オオシマゼミ
Meimuna oshimensis

今回は本土のツクツクボウシに近い種類で、奄美から沖縄にかけて住んでいるオオシマゼミを紹介します。まずは以前沖縄で撮った動画をyoutubeに載せたのでご覧下さい。




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youtubeに載せると画像が粗くなってしまいますが、左の写真をご覧下さい。何たる美しさでしょう!本土のツクツクボウシよりやや緑味が強く、濃いグレーのベースにエメラルドグリーンの気品あふれる佇まいは、1920年代から30年代の精巧なエナメル細工をほうふつとさせます。

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横から見た姿も美しい!あぁ(ため息)
鳴き声は図鑑などではカンッ!カンッ!等と聞きなされますがわたくしの聞いた感じではニャシーーーーーニャシーーーーーとも聞き取れます。官能的な金切り声を上げる貴婦人のようです。初めて聞いた時は、狂おしい興奮に体が震えました。

まあ鳴くのはオスなのですが。


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ツクツクボウシよりも一回り大きいながらもわずか5センチ程にまとめられた美の権化、わたくしが代名詞を冠するならば、それはまさに、「鳴くアール・デコ」!いやそれよりも、アール・デコが「鳴かないオオシマゼミ」だったのではないでしょうか・・・

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腹弁(おなかの真ん中付近に一対付いている部分)は比較的大きく、二等辺三角形です。ここにもアール・デコの幾何学様式が取り入れられて、いや失敬、アール・デコにオオシマゼミの幾何学様式が取り入れられているのでしょうか?昆虫のおなか側が苦手な方、申し訳ありませんが慣れて下さい!特に蝉たちのアイデンティティがこの腹弁に表現されている事が多いのです。

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ツクツクボウシと同様この蝉は秋の蝉ですが、11月頃まで見られます。この時は11月の上旬でしたが、たくさんいました。沖縄本島では中部以北に多いようです。甲高い合唱に包まれると、やっぱりここは本土とは生態系が違うんだなという事を感じます。

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この写真は沖縄県読谷村、座喜味城跡のリュウキュウマツに止まるオオシマゼミです。このように低い所に止まるものも多く、観察がしやすかったです。



2006年11月上旬 沖縄本島での思い出


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