チッチゼミ
Cicadetta radiator

chicchi01.jpg





こんにちは!

今回紹介にあずかるチッチゼミでげす。


chicchi02.jpg

chicchi03.jpg

chicchi04.jpg

夏の後半から10月頃にかけて、関西では低山地以上の主に松などの針葉樹林にいるせみです。高野山、護摩壇山のような高地にもいましたね。この個体は杉の木で鳴いていました。

鳴き声はプチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチ、プチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチ、と名前の通りですが、秋が深まるにつれてコオロギ、キリギリスの仲間の翅で鳴く虫が周りに増えてくるため、それらにまぎれてしまうとはっきり言って区別が付かず、知っていないとそれがせみの鳴き声だという事は分からないです。

鳴き声をお聞かせしたかったのですが、残念ながらわたくしのデジカメでは音が録れませんでした。録音性能のいいビデオカメラが欲しいものです。実はアブラゼミの時もトライしたのですが、うまくいきませんでした。

体のプロポーションや、体色が黒い所などを見ると、何となくクマゼミに似ているなあと思ったそこのあーた!


chicchi05.jpg

chicchi06.jpg

実はこーんなに小さいんです!2.5センチあるかないかでしょうか。本土のせみの中では、最小です。

横から見た感じも、何となく違いますね。

瞳や、所々に効かせた栗色が、秋っぽくて切なくなります。シャンソンの、「枯葉」が似合うせみ。秋のオシャレの参考にいかがですか?


chicchi07.jpg

chicchi08.jpg

chicchi09.jpg

腹弁はこんな形です。まあ普通っちゃ普通ですね。

ちょいと失敬して羽を開くと、
羽の付け根の後ろの方にちょっと分かりづらいですが鳴くための筋肉がむき出しになって見えてチラリズムです!実は普通のせみにはここに背弁という蓋のようなのがあるのですが、それをあえて見せるとは。いよっ芸が細かいっ!このように背弁がない仲間は日本には3種類いて、チッチゼミ亜科というグループに属します。他の日本のせみはセミ亜科というグループです。

もう一つこの種の特徴を挙げますと、羽の下の方(腹寄りの方)にある黒い太線、ここは山折りになるのですが、羽をたたむとここが完全に収まりきれずにちょっとはみ出た感じになります。
下の写真のちょうど中心付近、せみの体の中央付近に黒く三角にとがっている所がそれです。

セミ亜科とチッチゼミ亜科、それはまるでベスパのラージフレームとスモールフレームのような対比で設計思想的に考えるととてもおもしろいです。

さあここまで読んだあなたは以上の文章を黒柳徹子さん風にもう一度読んでみましょう。これであなたもチッチゼミ博士です。


2008年10月上旬兵庫県三田市の思い出


もっともっと他のせみを見たい
トップにもどる